コーヒーメーカーが目指すべき未来について。
人間の手を超えて欲しい

こんにちは、CoarsePaper管理人のほりー(@CoarsePaper)です。
最近無印良品が発売したコーヒーメーカーが話題になっていますね。僕もチェックしてみたのですが、機能が充実していて素晴らしい出来だと思います。
特にミルはナイスカットミルと同様のものを使用していて、それでいてあの値段に収まっているのであれば十分安いと思っています。通常のミル付きコーヒーメーカーはいわゆるプロペラ式というやつで、粒度が安定しないのが難点なんですよね。
このように高性能なコーヒーメーカーは出てきているものの、本当のコーヒーファンに完全に受け入れられているかといえばそうではありません。
例えばゲイシャのような高い豆を買ったとして、それをコーヒーメーカーに突っ込んで淹れるかと言われれば僕も首を縦に振ることは無いと思います。
そこで今回は、現状のコーヒーメーカーの問題点は何なのか、そしてそれらを乗り越えるにはどうしたら良いのかについて少し考えてみたので書いてみようと思います。
コーヒーメーカーの中でも主にドリップするタイプのコーヒーメーカーを例に考察してみます。
目次
現状のコーヒーメーカーの問題点
機能不足
豆を挽いてお湯を沸かしてドリップすることが最近の高機能なコーヒーメーカーですが、結局豆の計量やフィルタのセット、水をタンクに入れるみたいなことは全部人がやってるんですよね。
淹れた後は片付けもやる必要がありますし、結局そこまで手間は省けてないのでは?と思ってしまいます。
メンテナンスが難しい
上で書いた豆を挽いてお湯を沸かしてドリップするという作業を一つの機械の中でやるため、構造が複雑です。
内部は湿度の高い状態になりやすく、カビが繁殖する危険があります。メンテナンスが欠かせないのは当然ですが、内部構造が複雑なためそのメンテナンスも面倒です。
研究室で重宝しているPanasonic製のコーヒーメーカーも掃除が大変で使うのを躊躇してしまいます。
美味しさに説得力が無い
そもそもあまり美味しさを売りにしてるものは無いと思います。あったとしても動画とか見る限りかなり雑に淹れているように見えてしまいますし、淹れてる所が見えないような構造のものも多いです。
最後にドリッパーにあるお湯を落としきってしまうのを防ぐのは美味しくドリップコーヒーを淹れる基本ですが、そういう機能がついているコーヒーメーカーってあるんですかね…。
コーヒーメーカーが人の手を超える為に必要なこと
より完全な自動化
まず手間を省くという点について。
豆を挽いたり抽出するのはもちろんですが、もうマグカップを温めてくれる所から内部の洗浄、乾燥、抽出後のフィルターやコーヒー粉の処理までしてくれるのがあったら使いたいです。
飲みたいと思った時にボタン一つで飲めるのが求められてると思います。セブンカフェくらい手軽なのが家でできるのが理想ですね。あれも人の手でメンテは必要ですが。
フィードバック制御
次にコーヒーそのもののクオリティについて。
お湯の温度調整とかはもう実装されていますが、コーヒーの抽出は状態を見ながら行うべきだと思うんです。僕は一時期エスプレッソを提供するお店で働いていましたが、その日の湿度によってグラインダーのメッシュを変えたり、それによって変化する抽出時間に気を配ったりすることを教え込まれました。
とりわけドリップにおいては焙煎1つをとっても、焙煎度合いとそれから何日経ったかによって、膨らみ方やドームのでき方、更にはお湯の通り方も違ってきます。そういう不確定な要素がたくさんある中で、機械的に同じ淹れ方をしている間は人の手に追いつくことは無いと思っています。
抽出中のコーヒーがどういう状態なのか、それを機械が理解し抽出の仕方を最適化することがコーヒーメーカーのレベルを大きく上げることにつながります。
人の抽出のやり方を真似するのをやめる
そもそも、機械には機械に合ったやり方があるのでは無いかと思うわけです。
こんなことは僕が言うまでもなく各メーカーは分かっていて、だからこそシャワー状にお湯を供給する機構を用いたりしているのですが、まだ足りないと思っています。
あくまでそれはドリップに対してやり方を工夫しているのであって、コーヒーを抽出する方法そのものについてもっと食い込んだ製品が期待されます。
エスプレッソなんかは機械化に向いている抽出方法で、もうスタバなんかはほぼ全自動なわけですが、そういった伝統的な淹れ方を再現するのではなく、機械に最適化された新しい抽出方法を生み出して欲しいです。現状でこれほどたくさんの抽出方法があって各々自由にやってるわけですから、機械化も柔軟にやればいいのにって思います。
まとめ
今回の記事では、日頃話題に上がるコーヒーメーカーを見て僕がモヤッと感じたことを書いてみました。いかがでしたでしょうか。
僕が言いたいことはほぼ最後の項に集約されていて、やるなら妥協せずに完璧に人の真似をするか、中途半端に人の真似をするくらいならいっそ新しく方法を作ってしまえばいいということです。
なんとなく日常的にコーヒーを飲みたいという人はそこまでこだわらないというのもわかりますが、であれば抽出方法にもこだわらない方が合理的な製品ができるはずだと考えてます。
機械で淹れること自体はコーヒーのベンチマークになり得るとも思いますし、全くマイナスイメージはありません。今後、合理的なコーヒーメーカーが出てくることを期待しています。
ではでは〜。