アルミフレームでPCデスクをDIYしました.高剛性で見た目もクリーン.
こんにちは,CoarsePaper管理人のほりー(@CoarsePaper)です.アルミフレームって知ってますか?
工学系の学生や,工場のラインに携わっている人とかなら馴染み深いかもしれませんが,それ以外の人にはあまり馴染みのない種類のものかもしれません.
アルミフレームは,その名前の通り,アルミニウムで作られた規格化されたフレームです.
何か構造を作りたくなった時に,木とかで作るとスケールしませんし,分解した時に再利用しにくいわけです.
一方でアルミフレームは,規格に対応したパーツを組み合わせることによって様々な構造物を簡単に組み上げ,拡張,分解する事ができます.
直角や平行度を比較的容易に出せるのも特徴の一つでしょうか.とにかく何か構造物を作ろうとしたらまずはこれで作ってみるのが最善という風潮が僕の近辺では感じられます.
例えばこれは訪問したピサの大学の研究室ですが,黒かったり銀色だったりするフレームがアルミフレームです.グローバルスタンダードというやつ.
僕は割と実験装置を作るのに使っているほか,研究室の収納の補助としても活躍しています.
デスク用のフレームが届くまではこれで作業する pic.twitter.com/TR5pHUbcG0
— ほりー@CoarsePaper (@CoarsePaper) April 13, 2019
さて,仙台から東京に引っ越してきた時にあらゆる家具を捨ててしまったのでデスクがありません.
買ってもいいかなと思ったのですが,また引っ越す時に捨てることになるような気がしたので,分解して再利用できる物にしたいと考えました.
その時思い出したのがアルミフレーム.これを使えば簡単に分解したり拡張したりできるデスクが作れるのでは?
作ることを決めたのはそんな経緯です.
では実際に完成するまでのステップをチェックしていこうと思います.
設計
まず,アルミフレームをどこで買うのかというのを考えました.いつも大学ではミスミを利用していたのですが,どうやら個人では使えないようです.
前のラボの友人に聞いてみたところ,SUSのオンラインショップで買えることを教えてもらいました.持つべきものは(高専出身の)友.
SUSのアルミフレームはいくつかシリーズがあり,剛性に優れたものやホコリが溜まりにくいもの,拡張パーツが多いものなど,それぞれ特徴があります.
今回は家具ということで,ホコリが溜まりにくく剛性が高いXFシリーズを選びました.
どんなデスクにするかを決める上で重要視したのが「拡張性」スケーラビリティです.
欲しい機能をカジュアルに追加していけるようなデスクっていいですよね.そんなわけで上に拡張できるよう,デスクから上に柱を伸ばす形で設計を行いました.
設計に使うCADは何でも良いのですが,僕はInventorというのを使っています.CADに馴染みがない方はFusionというのから入ると良いかも.無料です.
フレームのCADデータはSUSのホームページからダウンロードできます.それを引き伸ばしたり縮めたりして任意の長さのフレームを生成していきます.
この程度の規模なら特にCADを使わなくても事足りる気がしますが,今後拡張する時のリファレンスにしやすいかと思い今回は使っています.
それから,直角がシビアっぽいところとか,直感的にモーメントが掛かりそうな所には補助パーツであるガセットを配置していきます.
本当はついでに解析とかすべきなんでしょうが見た感じ強度は大丈夫そうなのでこれでいきます.
完成したらCAD内でパーツのリストを見て,長さと本数を確認.
また,今回はフレーム同士の接合するコネクタをフレーム先端に組み込む追加工をしてもらうことにしたので,その加工方向とかもチェックしていきます.
発注
SUSの発注ページから発注を行います.この時Amazonのような完成度を期待してはいけません.
まずChromeで開けないという仕様で,SafariかIE(!)を使う必要がありました.それはちょっとヤバない?
パーツの型番と長さ,本数,追加工を入力していきます.
ガセットは多分こんなに要らないのですが,あって困ることは無いので少し多めに発注しました.
あと後入れできるナットも発注しました.これをフレームに付けることで,例えばチャンネルサポートなど,様々なパーツを固定することができます.
価格は全部で三万円ちょっとでした.このサイズのデスクとしては標準からちょっと高いくらいでしょうか.特にコスパが良いわけではないですね.
部品の到着
ある意味その長さに切ってもらって追加工してもらうので特注という扱いなわけで,それなりに納期がかかりました.最終的に2週間くらい?
あとXFシリーズ自体が結構新しいので,あまり在庫が無いようです.SFとかは少なくともミスミで買うと一瞬で到着します.
フレーム.この断面の幾何形状が僕は好きです.
ガセットはかなり“いかつい”見た目です.インダストリアル系ではなくインダストリアルそのものなので,当然それなりの雰囲気があります.
組み立て
組み立ては一瞬です.塗装も無いしカットもありません.
必要な工具は六角レンチのみ.
しかもこのXFフレーム,追加工してある面を取り付けたい面に押し付けてボルトを回すだけで固定できる優れものです.
普通ナットを溝に先に入れたりする必要があって面倒なんですけど,これはかなりカジュアルに取り付けが進みます.
深夜に作業したので部屋が暗くてノイズが…
適宜水準器で水平を確認しながら微調整します.
ガセットもフレームに押し当てて六角を回せばいいだけ.
裏側はこんな感じ.
ちょっとやりすぎ感がありますが,まぁ良いでしょう.
フレームを組み上げたところ.これでほぼ完成.
板を乗っければそれでデスクの完成です.
完成とまとめ
入った! pic.twitter.com/nTMlxXjJQm
— ほりー@CoarsePaper (@CoarsePaper) March 25, 2019
ちなみに板は例のごとくホームセンターで買ってきました.ホワイトオークというしっかりした木材でかなり重かった.
板が若干浮いてるのはこれまで両端をダンボールの上に載せてデスクとして使っていたために反ったからですね.まぁそのうち戻るでしょう.
剛性はめちゃくちゃ高くて,力を加えてもびくともしないので安心感があります.前まで使ってたディアウォールは手前に倒れてくる不安が常にあったのですが,これはそういった心配は一切ありません.
かなり思い通りの仕上がりなので,早いところ拡張して行こうと思います.まずは本棚かなぁ…今収納がほぼゼロなので.
アルミフレームDIYは発注までのプロセスさえクリアすれば非常に手軽にしっかりしたものが作れるのでぜひ試してみてください.
質問などあればTwitterでリプライしていただければと思います.
作るときは六角レンチを忘れずに.
ではでは〜.
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[…] 詳しくはこちらの記事で紹介しているので読んでいただきたいのですが,アルミフレームは規格が決まっているので同じ規格のものを選べば自由に付けたり外したり位置を変えたりでき […]