AirPods Proで入門するサイボーグ

こんにちは,CoarsePaper管理人のほりー(@CoarsePaper)です.しばらくぶりに記事を書きます.

 

iPhone 11 Proに乗り換えて,程なくリリースされたAirPods Proを買いました.

 

Androidを使っていたらきっと興味すら持たなかったかもしれない「AirPods」シリーズですが,なんだかノイズキャンセリングが凄いらしい.

完全ワイヤレスイヤホンも持っていなかった僕は,特に抵抗もなく3万円をAppleに上納することにしました.

イヤホンで3万円はそれなりに高額です.

とはいえ東京はノイズの多い環境なのでこれはストレスを最小化するための投資として納得させました.

 

それなりの期待をしながら試してみたところ,評判通り,というか評判以上の出来で大変感動しています.

使い始めてから数ヶ月経ってますが,重い腰を上げて,インターフェイスという側面からAirPods Proを眺めてみたいと思います.

 

AirPods Proが目指しているのは限りなく “透明な” 聴覚の拡張

人が道具を使用して能力を拡張する時,道具は透明化しています.

ここでの「透明」とは色の話ではなく,意識の中でその道具の存在が消え,機能だけが残る状態のことです.

例えば,良いマウスを使っているとき,そのマウスは使ううちに意識する必要がなくなり,自分の手とカーソルがつながったような状態になります.

 

あらゆる優れた道具はこの透明性が高いと言え,AirPods Proもその例外ではありません.

このような道具としての透明性を担保するためにAppleが考え抜いたであろう3つの要素について書いてみました.

 

外部音取り込み

ノイズキャンセリング機能の強力さが話題をさらっているAirPods Proですが,本質的に優れているのはむしろ「外部音取り込み」の機能だと確信しています.

外部音の取り込みは,イヤホンを装着した状態で対人でのやりとりをするときに使うようなもので,僕が以前から使っているノイズキャンセリングヘッドホン,WH-1000XM3 にも搭載されている機能です.

ノイズキャンセリングが強力であればあるほど,外部の音は聞こえなくなってくるのでこの機能は必須と言えます.

 

AirPods Proの外部音の取り込みは極めて自然で,イヤホンをつけていないときとほとんど変わらない環境音を感じることができます.

自然すぎて凄さがわからないレベルなのですが,取り込んだ音をそのまま再生してもこんなに自然にはなりません.

事実,WH-1000XM3の外部音の取り込みはここまで自然とは言えず,一部の周波数が強調されたような感じに聞こえます.

 

AirPods Proは人の耳の周波数特性に応じたイコライジングをしているということで,その人にとって自然に聞こえるように再生する環境音を調整しているようです.

これのおかげで装着した状態でも何不自由なく,何の違和感もなく普段どおり過ごすことができます.

 

操作

AirPods Proの操作はイヤホンから伸びている棒の部分の押し込みによりものです.

ワイヤレスイヤホン界隈ではイヤホンを叩くような操作が多い中で,こういった操作方法を採用したのには明確な理由があると考えられます.

叩く操作の場合,マイクによる集音をしている仕組み上,外部音取り込みをしていると大きなタッチノイズが生じます.これは装置の存在感を強く感じさせることになり,あまり良い操作方法とは言えません.

押し込む操作の場合,そのようなノイズは生じさせずに操作することができるようになります.こういう理由からAppleはこの操作方法を採用したのではないかと(勝手に)考えています.

 

また,AirPods Proには “ノイズキャンセリング” ,”外部音取り込み” ,”オフ” の3種類のモードがありますが,長押しによる操作で切り替えられるのは “ノイズキャンセリング” と “外部音取り込み” です.

WH-1000XM3の場合はこの3つをモード切替スイッチで切り替えるのですが,オフの状態だと外の音がこもった状態で聞こえるので,実はいらないんですよね.

 

ちなみに,操作の際に聞こえる「カチッ」という音はシステムが再生している音で,メカニカルなスイッチが棒の中に入っているわけではありません.これも良くできています.

 

装着感

ウェアラブルな装置において装着感という要素はその透明性に大きく関わってきます.

Appleはこれまでカナル型のイヤホンの圧迫感を徹底的に避けてきた印象があります.

AirPods Proはある程度音を遮断する必要があるためシリコンのイヤーピースを使っていますが,装着感は悪くありません

 

また,本体重量もノイズキャンセリング付きの完全独立型としては極めて軽量だと思います.

このサイズ,この重量にこれだけの機能を詰め込められるのは本当に信じられないです.

トレードオフとしてはバッテリー持ちでしょうかね.これは後述しましょう.

 

気になる点

たまに片耳だけ認識しない

技術的な問題として,片耳だけたまに認識されないことがあります.

ペアリングし直したりすると解決しますが大幅に体験の質を下げるので困ります.

 

ソフトウェアアップデートとかで改善してくれると嬉しいところ.

 

音質

音質というのはユーザーがこれまで使ってきたイヤホンによって大幅に評価が変わってしまう相対的なものです.

なので何とも言えませんが,AirPodsシリーズは世界で最も普及しているイヤホンでしょうし,AirPods Proの音質については「普通」と言ってしまって良いのではないでしょうか.

 

僕はこれまでWESTONE のW40というBAドライバを4基積んでいるイヤホンを使っていたので,それに比べると情報量が少ない感じが否めません.

とはいえ,歩行時にタッチノイズが無いこと,強力なノイズキャンセリングが効くことを考えると,普段使いでの音楽体験は圧倒的にAirPods Proが勝っていると感じました.

 

電池持ち

今まで使っていて2回ほどバッテリー切れを起こしました.

本体の電池持ちは公称4.5時間とのことで,外出時につけっぱなしにして一度も外さなかったりするとそうなります.

 

あるいは飛行機でつけた状態で寝たりするとバッテリー切れを起こす可能性が高いです.

僕は飛行機に乗る際はSonyのWH-1000MX3を使うことにしています.

 

耳から外している時には電源がオフになる仕組みなので思ったより電池持ちはする印象です.

WH-1000MX3にはそういった機能がなく,家に帰ってきて電源消すの忘れて朝まで電池を消費し続けていたという状況が多々ありました.

 

AirPods Proを快適に使うために必要なもの

AirPods Proを快適に使う上で必要なたった一つのものを紹介します.

(でかい)ワイヤレス充電器

Apple製品を使う上での一番のネックはLightningケーブルだと思います.

僕はiPhoneを買ってから今まで一度も付属のLightningケーブルは使っていません.常にワイヤレス充電器を使っています.

一応type-c to lightningのアダプタをガジェットポーチに入れておいてはいますが,幸いiPhoneもAirPods Proのケースもそれなりに電池持ちが良いのでほとんど出番はないです.

 

ワイヤレス充電器の中でも特にコイルが複数入っている広めのやつがおすすめ.これなら雑に置いてもしっかり充電できます.

充電位置の微調整とかそれこそ透明性を損なうので….

上記のやつは僕が今家で使っているもので,二台までqi対応の充電に対応できます.

 

まとめ:AirPods Proは今までで一番サイボーグを感じた商品

サイボーグを「人を外部拡張すること」と定義するのであれば,AirPods Proをつけている時に非常にサイボーグを感じることができるはずです.

 

特に外部音取り込みとノイズキャンセリングを切り替える瞬間は,まさに自分の聴覚をいじっているような気持ちになります.

この感覚はこの記事で強調したように圧倒的な透明性に基づく感覚だと確信していますし,そこに到達させるためにはにはたくさんの課題があったに違いありません.

それを見事に克服し,ここまでの体験に仕上げることができるのは,人とシステムの界面を溶かすことに全力を注いできたAppleだからこそなのだと思います.

 

これは本心なのですが,この完成度で3万は安いです.

Androidでも快適に使えるようなのでぜひ手にとってみてください.

 

ではでは〜.

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1 Comment

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AirPods Pro・Apple | CoarsePaper MOMENT
2020年5月12日 at 9:12 PM

[…] 詳しくはこちらの記事で書いたけど聴覚拡張装置としての完成度は圧倒的だと思う.特に外音取り込み昨日が再考. […]